日本財団「海と日本プロジェクト」in岡山が主催する笠岡アイランドホッパーズ。
イベント2日目、A班は高島、B班は真鍋島を調査し、最終的にA班とB班が髙島で合流しました。島を巡り海に関する知識や島文化を学ぶホッパーズ、今回はどんな発見があったのでしょうか?
A班は、高島の漁師、竹田さんの船に乗ってたこつぼ漁へ!子どもたちが楽しみにしている体験メニューの1つです。船に乗れる人数が限られているため、前半と後半に分かれて体験することに!たこつぼ漁は、たこが狭いところに入って身を守る習性を利用した漁法であることを学んだ後、いよいよ、たこ壺の水揚げが始まりました。壺の中にたこは入っているのか?次々と水揚げされる壺から目が離せません。竹田さんが壺をコンコンと叩くと、吸盤のついた長―い足が出てきました。そして見る見るうちに、たこの全貌が!子どもたちも大興奮!竹田さんが「つかまえて水槽に入れて」と!その言葉に応えるべく、勇敢なホッパーズは、両手でたこの頭をつかんで、水槽に入れようと大奮闘!立派なたこなのでかなり力強い!逃げ惑うたこを何とかつかまえ水槽に入れましたが、腕に吸盤の跡が残った子もいました。しかし、これも勲章だ!と力強い言葉と誇らしげな表情を見せてくれました。
一方B班は、宿泊した北木島を離れ、海上タクシーで真鍋島へ向かいます。小型船のスピード感のある走りにホッパーズは大はしゃぎ!船が波にぶつかり、大きく揺れるたびに歓声があがりました。
移動時間まで楽しんだ子どもたちは、真鍋島の真鍋さんを講師に海ごみについて勉強会。最近は砂浜に流れ着くごみに不織布マスクも増えているとの説明を受け、子どもからは「あれは紙じゃないの?」との疑問の声があがります。「不織布」がプラスチックであることを教えてもらうと、子どもたちは一様に驚いていました。
勉強会の後は、特製ランプを作るため、真鍋島の砂浜でビーチコーミングを開始。角が取れて丸みを帯びた綺麗なガラスや貝殻を探して、砂浜の端から端までくまなく探索。見つけたガラスの破片は本当に綺麗で、太陽の光を透かしてその輝きを堪能していました。そうして、集めた海の宝石で世界に1つだけの特製ランプを制作。海岸に流れついた漂着物に新たな命を吹き込むという素敵な思い出を胸に刻みました。
たこつぼ漁の後半組は、待ち時間を活用して浜辺でごみ拾い!宿からすぐ近くの海岸へ移動。見た目はあまりごみがありません。しかし、山側に近寄っていくと、「ごみがあった!」とホッパーズが声を上げます。雑草が生い茂っている場所にごみを発見!空き缶や発泡スチロール、ナイロン袋などなど、たくさんののごみが見つかりました。約30分のゴミ拾いでしたが、回収したごみの量に子どもたちも驚いていました。「きれいな海岸に見えたけど、隠れた場所にごみがたくさんあった」と声を上げる子も。最終的には、前半組と後半組のごみをまとめて、ごみの種類を分別しました。一番多かったのは、生活ごみでした。捨てられた生活ごみが河川を通じて海までたどり着いている現実を目の当たりに!ホッパーズは、ごみ問題が自分たちの身近な問題であることを再認識していました。
一方、ホッパーズB班は、真鍋島の伝統「走り神輿」を海上タクシーの船長さんだった山本さんから教えてもらいます。島の八幡神社の新築記念として行われたことが始まりで、8人で神輿を担ぎ集落と神社をもの凄いスピードで走り抜けます!神輿の担ぎ手に選ばれるために、人目につくところでトレーニングをしてアピールをしていたのだとか。担ぎ手でもあった山本さんの話ぶりと、迫力あふれる走り神輿の動画に子どもたちは釘付けです!最後には北木島に縁のある一人のホッパーズが「将来は走り神輿の担ぎ手になる!」と高らかに宣言。興奮冷めやらぬ子どもたちは、山本さんから走り神輿のコースを教えてもらい、その道を全速力で駆け抜けます。島の伝統文化を体で感じようとするホッパーズの心意気が感じられました。
2日目最後は、海苔養殖を行っているせのお水産の妹尾さんから、海苔からわかる海洋環境を学びました。妹尾さんは、「海苔は海を守る環境産業です。」と言います。これは一体どういうことでしょうか?実は海苔が海をキレイにしているんです。海苔は、リンや窒素などの栄養塩を吸収して光合成を行います。そして、海に溶けた二酸化炭素を酸素に変えながら、海を浄化しているそうです。普段、僕たちが食べている海苔が海をキレイにしていたなんて!こどもたちは驚きを隠せません。しかし、規制により、海に流れ込む窒素やリンが少なくなっているため、栄養不足で海苔が育ちにくいという現実も学びました。2日間を通して、海を楽しみ、海の環境を学び、島の文化・歴史にふれたホッパーズ、次回は、この学びの成果をまとめて、オリジナル商品作りに挑戦します。