縄文の昔から岡山県で食べられてきたにもかかわらず、全国的にはあまり知られていない謎の魚「ヒラ」。
その魅力やおいしさについて、岡山市場に流通する水産物の普及活動をしている岡山水産物流通促進協議会(おかとと)の会長で、『お魚かたりべ』の森下倫年さんに教えていただきました🐙
平たくシャンパンゴールドに輝く、全長50~60㎝の魚。
ニシンかママカリのような姿の「ヒラ」は、全国で水揚げされるものの、なぜか岡山県でしか食されていないという不思議な魚。
古くは県内の縄文遺跡とされる「彦崎貝塚」からヒラの骨が出土し、江戸時代に食事として供された文献も残っており、
岡山県の食文化に大きく関わってきたことがわかっています。
3月頃に瀬戸内海に入り、11月頃までとどまるため瀬戸内海の各県で獲られますが、
岡山以外では食べる習慣がないため、水揚げされないか、岡山市場に出荷されているのだそう。
まさに、「岡山でしか食べられない魚」なのです。
岡山の人々にとっては、うまみが強くコクがあり、刺身にしても煮付けにしてもおいしいと言われています。なのに、他府県で食べられないのはなぜか?
「実は、ヒラはとても小骨が多いんです。ハモと同じように皮の下にたくさんの小骨があり、チクチクして食べにくい。
でも、岡山には古くから伝わる『骨切り』をすれば、食べやすくなりますよ」と森下さん。
「骨切り」というのは、魚の皮の上から包丁で細かく骨を切る技。
現在は、骨切りした状態で小売店に並んでいるので、調理も断然しやすくなっています👍
骨切りさえすればヒラは高級魚レベル。和・洋・中どんな料理にも使えます。
ぜひいろいろな料理に活用しておいしさを知ってもらいたいですね」
2019年5月に県水産研究所(瀬戸内市牛窓町鹿忍)や、県内の流通、
加工業者らが昨年立ち上げた「岡山水産物流通促進協議会」では、地魚の消費拡大に取り組んでいます。
レシピの提案や、高校生を交えての県内外でのPRイベントも行っているほか、岡山の魚について知るリーフレットやクッションなども作成。
活動の輪を広げ、瀬戸内海の魚を食べる文化を守りたい」と話しています。
9月9日から22日まで、岡山天満屋地階食品フロアで行った岡山県お魚普及協会企画
『おかやま地階地魚図鑑 見て、知って、おさかな食べて元気になろう!』というイベントも開催。
岡山南高校の生徒さんがPR活動をしました。
今後も同校の生徒さんたちが、商品開発などの活動を進める予定だそうです♪
次回はヒラのおいしい食べ方について教えてもらいます。お楽しみに🐙
■岡山水産物流通促進協議会(おかとと)
岡山市北区二日市町232(株式会社長谷井商店内)
TEL 086-225-0691